金髪嬢一人と弁護士一人が列車の中、お互いに並んで腰掛けていた。
弁護士は退屈であった。お隣の金髪嬢から金銭を騙し取ろうと考えた。
「失礼ですが、ゲームをする気はありますか。お互いに質問を出し合うのですよ。
答えられない人は相手に5ユーロを支払うという次第ですよ」
金髪嬢としては静かにしていたかったので断った。
弁護士は簡単には諦められなかった。
金髪嬢はきっと何も知らないだろうからと金髪嬢への金額を高くした。
「質問に対して答えられなかったらお宅は50ユーロを得る、わしの方としてはたったの5ユーロだけを得る」
金髪嬢はオーケーした。
さて、弁護士は長ったらしい、複雑な、法律的な質問をした。
金髪嬢からは答が得られず、弁護士は5ユーロを得た。
次は金髪嬢が質問を出した。
「山を登ってゆく時には4本足、でも下山時には3本足とは何~んだ?」
弁護士は長いこと考えた。
とうとう金髪嬢に50ユーロを渡した。
彼女は50ユーロを収めた。そして後ろに向いた。
「オーケー」と弁護士。「で、答えは何なんだい?」
金髪嬢はもう一度振り向き直した。
そして弁護士に5ユーロを渡した、、、、。
Fragespiel→
昔、といってもそんなに遠い昔ではありませんが、列車に乗って長距離を移動することが何度かありました。
列車はコンパートメントで仕切られていて、窓際の通路が続く。それぞれのコンパートメントが乗客で一杯になっているか、空き席はあるのか、自分で一々確かめなければなりませんでした。
他の見知らぬ乗客が自分のコンパートメントに入って来るのを阻止するかのように、カーテンを引いて中が通路からは見れないようにする先客もいる、ということが何時しか分かるようになりました。カーテンが引いてあるからといっても満席とは限らない。だから勇気を出して、まるで車掌の如く、閉じられた、カーテンで覆われたコンパートメントの何故か重いドアーをまるで無理やり開けて、中を覗く。空席があるか確認する次第。
空席があると分かると直ぐに「空いているのか?」と聞いて、確認を取れたらそのまま中へと入って、自分の席に着く。
毎回、国際列車に乗ると、コンパートメント内の空席探しで窓際の長い通路を重いスーツケースをゴロゴロと転がしながら、または片手で引き上げながら、一つ一つのコンパートメントを見て回ったものです。
今は日本のオフィスのように仕切りが無くなって、飛行機の座席のように右左、2列または3列の椅子がずっと並んでいますよね、少なくともオーストリア国内の列車はそのようになっています。空席を探すのも容易になっています。
ところで、同じコンパートメントに収まったら、後は自分の世界に沈潜する人もいれば、ジョーク上の弁護士のように退屈してきて、同乗者に話し掛けたりする人もいますね。話し掛けられるのを嫌って眠った振りをする人や、新聞やら本に夢中になっているかのようにしている人もいました。
あなたは見知らぬ人に気楽に話しかけられるタイプですか。
“Entschuldigen Sie, hätten Sie Lust und Zeit mit mir zu sprechen?"
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弁護士の思惑は達成されたのでしょうか!?
退屈だった弁護士は退屈からは解放されたようです。
でも金髪嬢からだまし取ってやろうとした思惑はどうでしょう。
逆に金髪嬢から騙し取られてしまったかのようではないのでしょうか。
相手を小馬鹿にすると逆にヤラれてしまうという例かも。
金髪嬢を侮ることは出来ませんヨ。
金髪嬢はオツムが弱いといった噂のようですが、そんなことはないという証左でしょうね。
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先週はザルツブルク近く、ドイツバイエルン州との国境近くで夏の休暇を過ごしていました。
金髪嬢ではなく、金髪の高中年女性がホテルの外、芝生の上、デッキの上で生まれたままの姿で
休暇を楽しんでいるらしい様子を毎日目にしていました。
まるでFKKでのごとく日光浴、サウナ、人工池での水浴を楽しんでいるようでした。
他の休暇客がどのように感じているのか、全然関心ない、恥じらいもないといった身のこなしようでした。
見たいわけではないのに見えてしまう、人のことは言えませんが、、、ちょっと気になっていました。
若い金髪嬢には惹かれますが、中年以降の金髪女性にはあまり惹かれない自分を発見しました(笑)。
正に人は人、自分は自分といった休暇客たちばっかりでした。
そういうものなのでしょうね、多分。
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ところで、金髪嬢の質問の答えは何なんのかお分かりですか!?
質問を出した本人も答えは分からなかったようですよね。
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