ペトロと3ヶ国からの大工


英国人の大工、ポーランド人の大工、ドイツ人の大工が一緒に天国にやってきた。
が、入国させてくれるようにとペトロにお願いしなければならなかった。

ペトロが天国の門を大音響と伴に開けた時、そしてやって来た者たちの職業を聞いた時、
ペトロは英国人に訊いた。
「言っておくれ。わしの門は余りにも大きくギーっと音がするのだ。新しい門はいくらするのかな?」

その英国人が答えた。
「そうですね。材料に250ポンド、賃金は50ポンドです!」

「結構だ」とペトロ。「ちょっと考えておく」、そしてポーランド人に訊いた。

ポーランド人は紙切れに書いた。
「全部込みで500ユーロです!」

素晴らしいオファーだ。でもペトロとしては更にはドイツの大工が言うことも聞いてみたい。

ドイツ人は長考することもなく、直ぐにオファーを出した。
「ペトロ殿、1500ユーロ、材料と賃金込みです!」

ペトロは不思議に思った。3つのオファーを比較し、もう一度ドイツ人に訊いた。
「言ってくれぬか、どうして君の場合はそんなにも高いのかな?」

「いやあ実に簡単なことですよ」とそのドイツ人大工は答えた。「500ユーロはペトロ殿の懐に、500ユーロは手前共の懐に、で残りの500ユーロで以ってポーランド人を働かせるのですよ!」











       * 

頭が良いというのでしょうか、このドイツ人の大工。
それとも狡いというのでしょうか、このドイツ人大工。

ドイツとポーランドという歴史事情が加味されているかのようにも響きませんか。

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