ウィーンのツーリスト



ウィーンはシュテファン寺院の前に警官が二人立っていた。
ツーリストがやってきて質問した。
「英語話しますか?」

警官二人は否定した。
その後、そのツーリストはフランス語で、スペイン語で、イタリア語で、ポルトガル語で、ギリシャ語で、そしてトルコ語で試した。でも、毎回、警官は首を横に振った。
ツーリストは両の手を頭の上で叩いて、行ってしまった。

警官の一人が同僚に言った。
「おい、聞いたかい、奴は7ケ国語知っているよ!」

「それがどうしたというんだ、どれか一つでも使ったかよ?」


           *
Vor dem Stephansdom in Wien stehen zwei Polizisten.
Kommt ein Tourist auf sie zu und fragt:"Do you speak english?"

Die Polizisten verneinen.
Daraufhin versucht es der Tourist mit französisch, spanisch, italienisch, portugiesisch, griechisch und türkisch, bekommt aber jeweils nur ein Kopfschütteln, worauf er die Hände über dem Kopf zusammen schlägt und geht.

Sagt der eine Polizist zum Kollegen:"Mei, host dees kheert, sieben Sprochen hot der kenna!"
Antwort:"No uund, hots eam was gnutzt?"




警官はなぜ首を横に振ったのでしょうか。
ツーリストの質問に対する無言の返答、それをどう解するかはツーリストの勝手?
ツーリストは警官と”英会話”をしたかったのでしょうか!?(笑)

警官二人はオーストリア語、いわゆる Wienerisch ウィーン方言を喋っているらしいのですが、わたしには本当の所、何を喋っているのが良くわかりません。何となく、こういうことをしゃべっているんじゃなかろうかということで会話させてみました。ウィーン方言に詳しい方、間違っていたら訂正コメント頂ければ幸いです。
"Mei, host dees kheert, sieben Sprochen hot der kenna!"
"No uund, hots eam was gnutzt?"

確かに警官が言うように、外国語を幾つも知っていることと使えていることとは別のこととのようですね。
ツーリストは知っていることを披露したのでしょう、でも警官がコメントしているように使えていないようでした。でも何故でしょう?

警官が首を横に振ったという意味を取り違えてしまったのでは? 
首を横に振る、いわゆるボディーランゲージでしょうか、ウィーンではどういう意味があるのでしょう。
否定の意味? 肯定の意味? ただ単なる癖? 首の筋肉が張っている?
お宅の言っていることは分からない! 警官は答えたくない? 勤務中だから?

「話しますか?」というツーリストの問に「話しません」と首を振って応じているだけ? 
話せるのか話せないのかとは別問題? 

どうも”話さない話”みたいですね。”話せるという話”ではないようです。
”話したくないから話しませんという話”なのかも。
ウィーン語しか話さないよと無言で伝えていたのかも。

ツーリストは両手を頭の上で叩いて、行ってしまった、というジェスチャーというかボディーランゲージというか、これも何をかを無言で伝えているのでしょうかね。ウィーンの警官は役に立たねえ、とか。


      *   *

ところで、語学堪能な方がたくさん集まっていらっしゃるようですが、
"Do you speak english?"

同じ事を
フランス語で、(→        )
スペイン語で、(→        )
イタリア語で、(→        )
ポルトガル語で、(→        )
ギリシャ語で、(→        )
そして
トルコ語で、(→        )
何というのでしょう? 

ツーリストは同じ事をそれぞれの外国語を使って質問したのでしょう。
でも「英語話しますか?」とスペイン語で訊いた? 
それともスペイン語で「スペイン語話しますか?」と訊いた?

「英語話しますか?」とイタリア語で訊いた?
「英語話しますか?」とポルトガル語で、ギリシャ語で、そしてトルコ語で訊いた?
 ツーリストは正に”英会話”をしたかったのかも。

ところで我らの関心であるドイツ語では聞いていませんね。
ドイツ語はできないツーリストだったようですね。
でもドイツ語が読めるでしょう(笑)

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック