「オーストリア語」の名詞、(男女)単数形の、(男女)複数形の合成語

先回、クリスマスパーティーで日本人の方々は前の方、ステージの方に出て来て下さい、という司会者の要請について、わたしの体験を書きましたところ、同じオーストリアにすむ、同じ日本人ではありますが、お住まいがウィーン、そして先回のお話で出てきた日本人のもう一人の方と同じように留学生だという方から投書(ご指摘)を頂きました。
「司会者は「日本の女性達」と言ったんですよ。Japanerinnen とね」 

これはもしかしたら、"JapanerInnen"のつもりで発言されたのかもしれません。つまり、-innenではなく、-Innenと大文字のIを使う用法です。

オーストリアのドイツ語だけかもしれませんが、複数形語尾に-Innenをつけて男女両方含む複数形を作る慣例があります。

例えば、大学の修士・博士論文指導演習はもっぱらDiplomandInnen- und DissertantInnenseminareと表記されます。

http://kovo.philo.at/DiplDiss.php
これらのゼミ参加者はもちろん女子学生だけでなく、男女両方です。

また同居人募集の貼り紙で"MitbewohnerInnen gesucht"というのをよく見かけます。これも男女両方が対象、つまり"Mitbewohner/innen gesucht"と同義のはずです。

この用法がどれほど一般的なのか、話し言葉でも通用するのかどうかわかりませんが、参考までに指摘させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は以下のような返信を書きました。 


さて、示唆の富んだご指摘ありがとうございます。
わたしが偏見と独断で(?)名付けている所謂「オーストリア語」ですね。その書き方、男性形、女性形を一緒にしたような書き方、オーストリアのドイツ語に特有なのではと思っています。

オーストリア以外のドイツ語国でもそのような書き方をしているのかどうか、今のところ、詳しい情報は得ていませんので、定かではありませんが、わたしが想像するにそんなことはないだろうと思います。

これはオーストリア語の書き方、
スペースを節約するため? 
男女両性の平等を表現しようとしている?

まあ、いろいろと勝手に解釈できそうですが、真相はいかに?

-Innenと大文字のIを使う、大きく書く、これはご存知のように複数名詞(男女混成)を表現。


さて、さっそく近くにいたオーストリア人に聞いてみました。
「”ヤパーネリネン” と耳で聞いたときに、JapanerInnen(Japaner und Japanerinnen)と理解するのか?」と。

「そんなことはない」ということでした。
「”ヤパーネリネン” は Japanerinnen 日本の女性達だ」と。

つまり、書き言葉では JapanerInnen というオーストリア語の書き様、ありえるでしょうが、
話し言葉では ”JapanerInnen”はあり得ない、かも。かも、です(笑)。


「話し言葉でも通用するのかどうかわかりませんが、、」とお書きになっているように、
この点については更なる探求が必要かと感じております。


追記、
例のオーストリア人の司会者は もしかしたら、Japaner und Japanerinnen と言ったのかもしれません(笑)。

Japaner und の方は私の耳に聞き取れなかったのかも。

今度、気が向いたら、またはこれは(外国人のドイツ語学習者にとっては)重大な問題だ、
と感じ始めたら、本人に問い合わせてみようかとおもいます。
本人が覚えているかどうか、、、。


Japaner und Japanerinnen と言ったのか、 
それとも Japanerinnen と言ったのか、
それとも
JapanerInnen の積りで言ったのか、

投書を頂いた後で、「オーストリア語」の”書き”言葉、オーストリア語の綴り方を思い出しました。
すでに8年以上、オーストリアに居住していますが、いわゆる「オーストリア語("話し”言葉」がときに私の耳に理解できなくて苦しんでいました。
なぜか? なぜか? 
と自分なりに
その理由を探し求める毎日でした(笑)。

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